第8話 「ホワイトニング」へのこだわりが翻訳スタッフをも悩ませる

美白は日本女性の美容の重大なテーマのひとつだ。
以前Hanakoに掲載された漫画にもあった。
主人公は、昼間はつばの広い帽子にサングラス、長袖に手袋、ロングスカート、しかも全身くろずくめ
といういでたちで海辺に登場する。
夜になるとノースリーブとミニスカートでホテルバーにあらわれる。
一緒にいる同僚はみんな真っ赤に日焼けしている中、自分だけ肌が白いという優越感にひたる。

別に肌が白いから偉いとか、美しいとかいうわけではないとは思うが、白いことに命をかけている女性もいるようだ。
そんな切迫観念をくすぐるかのごとく、化粧品メーカーはこぞって美白効果のある商品を宣伝している。
問題は、それを海外にもっていくことになった時に起こった。

某超大手化粧品メーカーの美白化粧品の広告を英訳することになった。
担当することになったのは、帰国子女の女性2名とネイティブコピーライター2名。
キャッチフレーズも考える必要があるので、チームでディスカッションしながらスタイリッシュな英訳に磨きあげていくことになった。
こと、キャッチコピーとなると、和文をそのまま英訳するわけにはいかない。
キャッチコピーの英訳では、言葉を翻訳するのではなく、インパクトやイメージを翻訳する必要がある。
英語のネイティブに同じことを伝えるには、まったく違う言葉をつかわなくてはならない時もあるのだ。
そこで、完全にバイリンガルの女性たちと経験豊かでこだわりやのコピーライターたちが担当することになったのだ。

できばえは予想通りすばらしかった。
きれの良い、スノッブでエレガントでスタイリッシュな英語に仕上がっていた。
美しさを求めるワンランク上の女性の購買意欲をかきたてるような文章だった。
スタッフみんなで、「むー、にくいねー」などとうなりながら原稿をまわし読みして、満足した。

・・・ところが、納品するとすぐ折り返しに、クライアントが激怒りで電話してきた。
「ホワイトニングの化粧品なのにホワイトニングという言葉が一回も出てこない!全部誤訳じゃないか!」
それもそのはず。
英語で「ホワイト」というとちょっとまずいのだ。
顔がホワイトというと能面のように真っ白ということになるし、アジア人やアフリカ人の肌をホワイトにするのはマイケル・ジャクソン並みの色素の操作が必要だ。
また肌の色のことなので、言葉の使い方が人種差別的と受け取られる可能性もある。
いずれにしても、良い印象ではないのだ。
そこで英訳では「肌をブライトにする」「クリアーな肌にする」という表現をしていたのだが、どうしても「ホワイトニング」という言葉を使いたいとのことだった。
たとえそうすることによって商品、企業のイメージダウンになろうとも、どうしても「ホワイトニング」でなければならない程の勢いだ。
そこまでして「ホワイトニング」にこだわるか?!
「ホワイトニング」へのこだわりは、これほどまでに人を惑わすらしい。

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何だかんだ言っても翻訳会社の中でもホワイトニングのコスメは人気。
このエピソードのクライアントの商品のように、テレビや雑誌で大々的に広告していないコスメで、優秀なコスメもよく話題に。
特にノーベル賞まで受賞したシミ無色化美白成分「フラーレン」を高配合しているイレイザーは人気でした。

イレイザーの他にもワザありコスメがそろったショップは美・サイエンス
みんながまだ知らないコスメをひそかにおとりよせして、「こんなの使ってるんだけど〜」と知ったかぶりできちゃうのです。

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posted by Emico at 17:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳現場のプチ事件
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