第5話 落ちてもくじけるな!入れる翻訳会社は必ずある!!

夜翻訳学校に通い始めて1ヶ月、昼間の就職活動は依然苦戦続きだった。
そんなある日、高校時代の友人と久しぶりに会うことになった。
彼女はアイルランドの大学院に留学を希望していて、情報収集のためにブリティッシュ・カウンシルに行きたいということだったので、一緒に行くことにした。
ブリティッシュ・カウンシルはイギリスやアイルランドの留学の情報収集ができるだけでなく、英語の本の図書館もあるので、図書館で過ごすのもいいなと思ったからだ。

ブリティッシュ・カウンシルの近くに神楽坂があり、そこにめちゃくちゃおいしいコーヒーを出してくれる喫茶店がある。
帰りに彼女と私はそこでコーヒーの香りに陶酔しながら、お互いの近況を報告しあった。
すると、彼女は私が海外で日本語教師をしている間、翻訳会社でバイリンガル校正のアルバイトをしていたと語った。翻訳者が翻訳した訳文と原文を見比べて、タイプミスや訳ヌケがないかチェックする仕事だ。
「実際の翻訳が読めるから、翻訳者志望なら絶対いい経験になるよ!募集していなくても売り込んでみなよ!私が担当者に連絡してみるから。」

ひょんなことがきっかけで、すごいチャンスができた。
彼女は校正部門の管理職に連絡を入れてくれて、試験と面接を受けられることになった。
ところが、試験は英語で、TOEIC900点レベルの英語力が望まれていた。
そして、校正者には英語以外の実力は求めていないという説明を受けた。
私にとって英語は第二外国語。本当はスペイン語で勝負したかった。
というわけで、せっかくのチャンスはモノにすることはできなかった。

不合格の通知を受け取ってからしばらくしたある日、とらばーゆに同じ会社の募集広告をみつけた。
募集しているのは管理職アシスタント。
その広告を見た瞬間いろいろな想いが私の中をかけめぐった。
「あ、落ちた会社だ。でも翻訳会社に入りたいな。入社できればまた新たなチャンスがあるはず。
職種が違えば仕事も違うはずだから、求められる能力も違うはず。
秘書検定も受けたし、貿易会社で秘書のアルバイトした経験をアピールして応募してみようかな・・・。
でもストーカーと思われるかな・・・。でも採用担当者が違うかな・・・。・・・・・。
とにかく恥も外聞もかきすててやるしかない!」
私は送り状に二度目のチャレンジである旨を書き、どうしても翻訳の仕事の現場で働きたいという情熱をアピールした。

応募書類を提出してしばらくたち、なかばあきらめていた頃、書類審査を通過した知らせが来た。
やった!このチャンスは逃しちゃいけない!
とにかく「やる気」を一番にアピールしよう!
自分が星一徹のような目になっているのがわかった。

案の定、職種が違うので、試験も面接の担当者もまったく違っていた。
前回はまじめで気弱な感じの中年男性が面接官だったが、今回は美女が3人。
シャープな感じの女性、ゴージャスな女性、清楚でかわいい感じの女性。
あまりの迫力に実はかなりおじけづいた。

それでも幸運にも、試験、一次面接、二次面接も通過し、最後は社長面接にたどりついた。

私を紹介してくれた友人を社長は覚えていらした。
「東山さんのお友達なんだって?彼女は最年少だったけど、とてもよくやってくれたよ。
実は管理職アシスタントは一名しか枠がないんだよ。もう他の人に決まっちゃったんだ。
でも、どうしてもうちに来たいということなら、翻訳の営業とペアを組んで、翻訳者を手配したり、翻訳の工程を管理したり、お客様の対応をしてもらう仕事をやってみないかい?
管理職の秘書より翻訳の現場に近いし、君にはそっちの方が興味あるんじゃないかな?」
「ありがとうございます!ぜひやらせてください!!」
「試験の出来を見ると、君はあまりIQが高くないようだから、他の人の何倍もがんばってもらわないとね。」
「はい!!努力します!!」

かくして、私は補欠合格のような感じで狙った会社に入社することができ、憧れの翻訳業界に入ることができた。

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外国語系のお仕事はキャリア重視のところがほとんどで、しかも募集の枠は数名、そこに数百名の応募が殺到する場合が多いようです。
でも、あきらめたら負け。
選考に落ちたとしても、それはあなたの価値が低いわけではありません。
ご縁がなかっただけ・・と気持ちをすぐに切替えて、アクションあるのみ!!
あなたの場所は必ずどこかにあるから!

ちなみにこの頃はインターネットという便利なツールはありませんでした。
就職活動に使っていたツールは、
アルクの翻訳事典イカロス出版の通訳・翻訳ジャーナル、とらばーゆ、ビーイング、朝日新聞の日曜版と月曜版の求人広告でした。

また、外資系専門の人材紹介の会社にも登録していました。
人材紹介の会社には、求人誌には出ないような案件がたくさんあります。
登録は無料ですし、コーディネータにいろいろとアドバイスもしてもらえるので、いくつか登録しておくと便利です。
毎日キャリアバンクの女性向けバンクならバックボーンもしっかりしていて案件も豊富です↓





posted by Emico at 14:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 転職の実際

第4話 予想外の予想屋さん

私は大学生のころ馬に乗っていた。
それで、翻訳会社に入社する前、馬に関係する就職の可能性も考えていた。
実際にある乗馬教室にも応募した。
面接に行ってみると、
「あなたのおじいさんにはとてもお世話になったんだよ。おじいさんは獣医さんだよね。」
と所長さん。
「・・・・・あの・・・私の祖父は獣医師ではないのですが・・・・。」
「え?あっそうだったの?じゃあ人違いだね〜。いや〜苗字が同じだったから、てっきりお孫さんかと思ってね。そうか、先生のお孫さんじゃなかったのか〜・・・。」
「・・・・・・」
ということは人違いなコネで書類選考を通ったのか・・・・!?
複雑な気持ちで、絶対不合格だなと肩を落として家路についた。
でも数日後に面接通過の知らせを受け取った。
所長さんも引っ込みがつかなくなってしまったのかな・・・。きっと。

それから、「とらば〜ゆ」の求人広告でも馬のお仕事に応募した。
「一般事務、初任給20万円、10時から5時、残業はありません。馬が好きなかた大歓迎!」
これだ!っと思って早速応募。
行ってみると、そこはビルではなく、高級マンションの一室。
出迎えてくれたのはソフトな感じのハンサムな中年男性。
おしゃれなスリッパを出されて、ふかふかの皮のソファに座るようにいわれた。
その男性が自らコーヒーを入れてくれて、ソファに座りながら筆記試験を受けた。
試験が終わると、その場で採点してくれた。
「あ、コーヒー飲んでくださいね。」
「は、はい・・・いただきます。」
そして面接開始。
「馬がお好きということですが、競馬とかはやったことがありますか?」
「馬は乗るのは好きなのですが、競馬はテレビで見るだけで・・・馬券を買ったのは2回くらいです。」
「そうですか。好きな馬っていますか?」
「はい、ホワイトストーンです。」
「え?ツウですね〜。ホワイトストーンが好きな人ってけっこうツウな人が多いですよね。どうして好きなんですか?」
「あの・・血筋がいい割にいつも3位とかで、人間なら銅メダルなのにとか思ってしまって、応援せずにはいられない感じがしてしまうんです。」
「こんなに純粋に競馬を愛しているひとは、応募者の中であなただけです。あなたのようにきれいで知的な女性なら即合格です。」
「・・・・あの、あ、ありがとうございます。」
「それで業務の内容なんですがね、うちはいわゆる競馬の予想屋なんでね。電話でお客様のお問いあわせに答えてもらったり、事務作業をしてもらったりしますんで。ここは私とあなたの二人だから、まあ、のんびりやってもらえれば大丈夫なんで。」

予想屋さんなんてまったく予想外だった。
面接の終わりになって、ここが予想屋さんのオフィスだったことをはじめて知った。
それまで会社の事業内容を確認しなかったなんて私も随分トンマだった。
でもさすがに、甘いマスクで口のうまい男性と住宅仕様のマンションの一室に毎日こもるのも、予想屋さんの仕事をするのも、あまりに危険な香りのするお仕事なので、後日お断りすることにした。

念願の翻訳会社から合格通知をもらったのはそのすぐ後のことだった。

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ちなみに私が応援していた無冠の芦毛ホワイトストーンは名馬は劇的に生きるにエピソードが載っています。

posted by Emico at 16:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 転職の実際

第3話 コンテストに応募したのがきっかけで、絵本の翻訳のバイトのチャンスをGET!

夜は翻訳学校に通いながら昼間は就職活動で大苦戦していたある日のこと、新しく出た翻訳事典を見ていると、「山形県遊学館 外国絵本翻訳コンクール」の広告が出ていた。
優勝すると自分の翻訳した絵本が出版というものだ。
私は優勝はもちろん狙ってはいなかったが、何かのきっかけになるかもしれないと思って応募してみた。

絵本の翻訳は実はとても難しい。
外国語の絵本は韻が激しくふんであって、文章全体も歌うようなリズムがある。
音読してみないと気付かないかもしれないが、音節の数もそろえてあったりする。
また、外国では日常的に親しみのあるものでも、日本にはまったくないようなものが出てくることもある。
課題になっていた絵本も例外ではなかった。
私は未熟ながらも七・五調に訳文をまとめ、なんとか提出してみた。

それがご縁になった。
コンテストの運営に参加していた絵本の輸入・出版会社で、外国の絵本を図書館に納品する際に添付する訳文を翻訳するスタッフを募集していたのだ。
もちろんその中にはスペイン語の絵本もあり、スタッフも足りなかったようで、お小遣い稼ぎ程度の翻訳の仕事をちょこちょこともらうことができた。
翻訳学校に通っていた私にとっては、とてもうれしく、楽しく、ありがたいお仕事だった。

お仕事のチャンスはどんなところに隠れているかわからない。
ダメもとでも、いろいろな出会いを求めてアクションするのが大切だな〜と実感した。

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山形県遊学館 外国絵本翻訳コンクール は児童文学翻訳で今や有名なコンクールです。
月刊児童文学翻訳の98年9月号(No.2)で「応募原稿の書き方徹底研究 〜絵本コンクールに向けて〜」( http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1998/09.htm)という記事もありますので、参考になるかもしれません。

私が応募した頃は自分で勉強する以外なかったので、近所の図書館で絵本を読みあさり、国立国会図書館のこども図書館で原書を見て勉強しました。

ちなみに私が最近気になる絵本は終わらない夜
ミステリアスな詩とイラストが不思議な世界にいざなってくれる大人の絵本です。

絵本のネットショップで気に入っているのは、絵本と絵本グッズの専門店【絵本ナビShop】です。
対象年齢ごとに分類されていたり、DVDや絵本グッズも充実しているところがうれしいショップ。
フランスの絵本ペネロペの日記帳やはらぺこいもむしのカレンダーなども入手できます。
posted by Emico at 18:04 | Comment(0) | TrackBack(1) | 転職の実際

第2話 大学を卒業したら、翻訳会社に就職したい!

私がこの翻訳会社に入ったのは、大学生の頃からの希望だった。私は大学時代は外国語学部でスペイン語を専攻していた。
4年生になって、いざ就職活動となったとき、学校に来るいろいろな求人情報を探したけれど、
自分が本当にやってみたい職種は見つからなかった。
外国語学部だからといって、外国語に特化した求人があるわけではないのだ。
ちょうどその頃、海外の日本語学校の理事長さんから、現地で日本語教師として就職しないかと声をかけてもらっていた。
春休みに参加したホームステイプログラムのレセプションパーティーで、スペイン語を話せないひとたちの通訳をしていた時に
スカウトされたのだった。
ちょうど日本語教師養成講座も在学中に履修していたので、せっかくだから、現地で就職してみることにした。
そんなある日、本屋さんで「翻訳事典」というアルクのムックをみつけた。
「翻訳か!これこそディープに外国語な仕事だ!」
世間知らずな大学生だった私の夢はふくらんだ。
大学を卒業しても、日本語教師になっても、いつか翻訳者になれるように勉強しよう!

海外で日本語教師をしているあいだ、私は「翻訳事典」を隅から隅まで熟読した。
練習問題は何度も解いた。
単語集も丸暗記した。

そして帰国したときに「翻訳事典」のイエローぺージに載っている「翻訳者インターン募集」の企業にどんどん電話してみた。
ところがバブル崩壊のあおりで、インターンを受け入れるような余裕のある企業はなくなっていた。
もちろん、第二新卒同様の社会経験の少ないワカゾウを正規の翻訳者として採用してくれるような会社はあるはずもない。

そこで、今度は「翻訳事典」の学校案内のリストの中から、夜間の通学制で卒業後の就職支援の制度もある翻訳学校を選び、
早速入学した。
そこで実務翻訳を勉強しながら、昼間は就職活動をして翻訳会社への就職のチャンスをねらっていた。

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アルクの「翻訳事典」は、翻訳の仕事にはどういったカテゴリーがあるのか、各分野の翻訳の例文、現役翻訳者のインタビュー、翻訳者になるための就職ガイドなどが載っていて、まさに入門書の決定版。
これから翻訳の仕事をしてみたいなら目を通すだけでもためになる一冊です。


翻訳事典(2008年度版)
posted by Emico at 23:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 転職の実際

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